「組み込みエンジニアは未経験から目指せるの?」
「組み込みエンジニアは『やめとけ』『きつい』『オワコン』と言われるのはなぜ?」
結論からお伝えすると、組み込みエンジニアは未経験者を採用している企業もあり、未経験からの転職は不可能ではありません。
この記事では、組み込みエンジニアへの転職を検討している方に向けて、未経験から組み込みエンジニアになる方法や仕事内容、必要なスキル、平均年収、将来性などを解説します。
組み込みエンジニアに向いている人の特徴も紹介しているので、組み込みエンジニアを目指すべきか見極めるための参考にして下さい。
未経験から組み込みエンジニアになれる理由
IT業界は人材不足が深刻であり業界・職種未経験可の求人も存在することから、未経験から組み込みエンジニアを目指すことは可能です。
未経験可の求人は、入社後に数か月間の研修期間が設けられており、プログラミングや開発技術に関する知識が学べます。
また、テスターや品質評価など、経験が浅い人でも取り組める仕事もあるため、知識・スキルに自信がない場合は、未経験向けの研修制度が整った求人に応募するのもよいでしょう。
自分に合ったサービスを探すなら
- IT・エンジニアに特化して求人を探す
- 異業種の求人も視野に入れて求人を探す
30代・40代未経験でも組み込みエンジニアになれる?
未経験から組み込みエンジニアになる際に、年齢制限はありません。
ただし、20代の未経験者はポテンシャルを期待した採用が行われますが、30代以降の採用は即戦力を求める傾向にあります。
年齢が上がるほどハードルは高くなるのは確かですが、自己学習を積んで市場価値を高める努力をすれば採用される可能性は高まります。
また、これまで他職種で経験したコミュニケーション力やマネジメント力をアピールすることで、転職できる可能性は広がるでしょう。
未経験から組み込みエンジニアになるには?
ここでは、未経験から組み込みエンジニアになるための方法を紹介します。
未経験から組み込みエンジニアになるには
プログラミング言語を学ぶ
組み込みエンジニアを目指すには、プログラミングスキルが必要となります。
特に、組み込みシステムの開発でよく使用されるC言語とC++の基礎知識を身につけると有利になります。
ただし、C言語とC++は、いずれも習得が難しいと言われています。
途中で挫折してしまう人も少なくないため、初心者向けにわかりやすく書かれた書籍やWebサイトを利用しながらスキルを身につけていきましょう。
未経験者が持っていると有利な資格を取得する
実務未経験から組み込みエンジニアになるには、転職で有利になりやすい資格を取ることも大切です。
資格取得を目指すことは、自身の専門知識・スキルを高めるだけではなく、転職の際にスキルを証明する手段となります。
以下に、組み込みエンジニアにおすすめの資格を紹介するので、ぜひ資格取得を検討してみて下さい。
資格名 | 証明できる知識とスキル |
---|---|
基本情報技術者 | IT関連の基礎知識やスキル、論理的思考力、マネジメント力など |
応用情報技術者試験 | IT関連の基礎知識やスキル、ソフト・ハードの開発スキル、情報セキュリティ、プロジェクトマネジメント、システム戦略など |
ETEC (組み込み技術者試験制度) | 組込みソフトウェア開発に関する知識、実務能力 |
エンベデッドシステムスペシャリスト試験 | IoTを含む組込みシステムに関する戦略の策定、ハードウェアとソフトウェアの要求仕様の策定、設計・開発・テストを計画・実施できるスキル |
転職エージェントを活用して転職する
未経験から組み込みエンジニアへの転職を目指すなら、転職エージェントの活用がおすすめです。
未経験者を採用して研修制度が整っている企業で、数か月間学び、組み込みエンジニアになることは可能です。
ただし、初心者歓迎の組み込みエンジニア求人は数が少なく、倍率が高くなりがちなため、応募書類作成や面接対策に注力する必要があります。
また、研修制度とひと口に言っても、企業ごとに研修内容の質は異なります。
転職エージェントは企業の内情に詳しいため、IT転職に詳しい転職エージェントに、その企業の実際の研修の様子を確認することをおすすめします。
記事後半では「未経験から組み込みエンジニアを目指す人におすすめの転職エージェント」を紹介しているので、ぜひ活用を検討してみて下さい。
組み込みエンジニアの仕事内容
組み込みエンジニアは、機器に組み込むためのソフトウェアを開発する仕事です。
企業によって違いはありますが、組み込みエンジニアの仕事はおもに以下の6つの工程にわかれます。
製品の企画 | 顧客と打ち合わせをして、製品開発の方向性を決める |
---|---|
システム設計 | 企画書をもとに、実装すべき機能を漏れのないように設計する |
ハードウェア / ソフトウェアの設計 | 組み込むハードウェアとソフトウェア双方の互換性を考慮しながら設計する |
実装 | プログラミング言語を用いてシステムを組み立てる |
デバッグ・テスト | 実装したシステムが正常に動作するかをテストする |
保守 | システムが安全に稼働しているかを確認する |
組み込みエンジニアが活躍する3つの分野
組み込みエンジニアの活躍分野は多岐にわたります。
ここでは、組み込みエンジニアが活躍する分野として代表的なものを3つ紹介します。
組み込みエンジニアが活躍する3つの分野
小型機器型組み込みエンジニア
小型機器型組み込みエンジニアは、家電やパソコン、スマートフォンなどの機器に組み込まれるソフトウェアを開発するエンジニアです。
小型機器組み込み系のプログラムは、ユーザーが誤った操作を行ってもエラーが起きないことが求められます。
製品出荷後に不具合が発見された場合には企業の信用問題に関わるため、あらゆる状態を想定しながらテストとデバッグを繰り返します。
また、さまざまな製品が対象となるため、臨機応変に対応できる知識やスキルが求められます。
通信型組み込みエンジニア
家庭やオフィス、駅や店舗などの公共施設で使用されるインターネットに組み込むシステムを開発するのが、通信型組み込みエンジニアです。
現代は屋内、屋外問わずさまざまな場所でのインターネット利用が当たり前の時代となっています。
通信速度の高速化を求める利用者のニーズに応えるため、安定しつつスピードに特化した組み込みソフトウェアの開発が求められています。
プラント型組み込みエンジニア
プラント型組み込みエンジニアは、プラントで用いられる産業機器やロボットを制御するシステムを開発するエンジニアです。
プラントには、石油化学プラントや製鉄プラント、発電プラントなどの種類があります。
プラント系組み込みエンジニアは、対象のプラントによって化学や電気、機械などに関する専門知識が求められます。
組み込みエンジニアに必要な知識・スキル
組み込みエンジニアに必要なスキル・知識として、主に以下の4つが挙げられます。
組み込みエンジニアに必要なスキル・知識
OSに関する知識
組み込みエンジニアが組み込みシステムを開発する上で、OS(オペレーティングシステム)に関する知識が必須となります。
OSは、コンピューター全体の動作を管理・制御するソフトウェアの一種です。
組み込みシステムの開発では、汎用OSの「Windows 」「Linux 」のほか、家電製品や自動車など、おもにリアルタイム性を重視する製品に使用される「リアルタイムOS」に関する知識も求められます。
ハードウェアに関する知識
組み込みエンジニアには、ハードウェアに関する知識も必要不可欠です。
組み込みソフトウェアの基本設計では、ハードウェアの仕様に合わせて設計する必要があります。
また、ハードウェアの回路図面から設計をするケースも珍しくないため、回路図面やモジュールへの理解も必要です。
そのため、組み込みエンジニアはほかのエンジニアと比べて、ハードウェアに関する知識が求められます。
ネットワークに関する知識
IoT(モノのインターネット)の技術進化によって、組み込みエンジニアにはネットワークに関する知識も求められています。
自動車や家電、医療分野など、さまざまな製品にIoT技術が取り入れられるようになりました。
そのため、組み込みエンジニアは製品とネットワークを繋ぐIoTに関する知識・スキルも身に付けておく必要があります。
セキュリティに関する知識
組み込みエンジニアには、セキュリティの知識とスキルも求められています。
組み込みシステムに脆弱性があった場合、外部からの攻撃や不正アクセスによってさまざまな悪影響を及ぼします。
そのため、デバイスやネットワークの脆弱性を熟知し、安全で信頼性の高いシステムを開発する必要があります。
組込みシステムのセキュリティ対策としては、データの暗号化や認証・アクセス制御、ネットワークセキュリティなどがあります。
組み込みエンジニアに向いている人の特徴
ここでは、組み込みエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。
もし以下の特徴に現在当てはまらなかったとしても、スキルを身に付けることでカバーすることも可能です。
さっそくチェックしていきましょう。
組み込みエンジニアに向いている人の特徴
ものづくりが好き
組み込みエンジニアは、自分が開発したシステムが思った通りに動くことを確認できる仕事です。
そのため、ものづくりの楽しさを実感することができます。
たとえば、子ども時代にラジコンを組み立てて動かすことが好きだった人などは向いているでしょう。
また、目の前にあるものがどのように作られて、どのように動いているのかが気になる人にも向いている仕事といえます。
論理的思考能力がある
論理的思考ができる人は、組み込みエンジニアに向いていると言われます。
組み込みシステムの開発では、エラーが起きた際に原因がどこにあるのか、論理的に考えて解決する必要があります。
筋道を立てて考え、結論を導き出す能力がなければ、原因究明までに膨大な時間を消費することになります。
そのため、普段から論理的に物事を考えられる人は組み込みエンジニアに向いていると言えるでしょう。
IoT開発に興味がある
組み込みエンジニアはIoTに興味関心がある人に向いています。
近年ではIoTの発展が目覚ましいため、IoT関連の技術・知識をもつ組み込みエンジニアへの需要が高まっています。
今後は、自動運転技術や遠隔治療などの次世代技術開発のために、IoTが活用される機会はますます増えていくでしょう。
そのため、新製品の開発に携わりたい人や、IoTに興味のある人は組み込みエンジニアに向いているといえます。
組み込みエンジニアはオワコン?将来性について解説
組み込みエンジニアは古くからある職種であり、エンジニアの高齢化が進んでいることから、「オワコン」と言われることもあるようです。
しかし、組み込みソフトウェアは、コンピューターを内蔵するさまざまな機械や製品に搭載されていることから、それらを開発する組み込みエンジニアは必要不可欠な存在です。
近年ではIoTなどの技術の発展により、自動車業界や家電業界、医療業界など、さまざまな業界からの需要があり、組み込みエンジニアの将来性が高いと言えるでしょう。
また、AI搭載の自動車や家電の普及によって、より高度な技術が必要となることから、組み込みエンジニアの需要はさらに高まっていくと考えられます。
組み込みエンジニアの平均年収
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、組み込みエンジニアの平均年収は550万2,000円です。
国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均給与は458万円となっています。
組み込みエンジニアの年収は、一般的な給与所得者の年収よりも高い傾向であることが分かります。
未経験から組み込みエンジニアを目指す人におすすめの転職エージェント
転職エージェントを活用すれば、求人紹介・応募書類の添削・面接対策のアドバイスなど幅広いサポートを受けられます。
IT業界に精通したキャリアアドバイザーが、転職相談から内定まで手厚く支援してくれるため、未経験から転職する際は積極的に活用することをおすすめします。
組み込みエンジニアの転職におすすめの転職エージェント3社を紹介するので、ぜひ利用してみてください。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
ワークポート 公式サイト |
|
リクルートエージェント 公式サイト |
|
doda 公式サイト |
|
ワークポート|IT業界の転職に強い
引用:ワークポート
「ワークポート」は、IT業界の転職に強みを持つエージェントです。
創業当初からIT業界の転職支援に注力しており、他にはない独自の求人が充実しています。
未経験者向けのポテンシャル求人も多いため、特に20代の若手におすすめです。また、各業種・職種に精通した「転職コンシェルジュ」がサポートを提供しており、組み込みエンジニアの仕事に詳しいコンシェルジュも在籍しています。
「未経験から組み込みエンジニアを目指すために何をすべきか」など実用的なアドバイスをもらえるため、転職活動を効率よく進められるでしょう。
ポテンシャル採用の求人をチェックしたい人や、IT業界に詳しいコンシェルジュにサポートしてもらいたい人は、ぜひ利用してみてください。
運営会社 | 株式会社ワークポート |
---|---|
公開求人数 | 約108,100件 |
非公開求人数 | 非公開 |
対応地域 | 全国 |
料金 | 無料 |
(最終更新日:2024年11月)
ワークポート公式サイト 口コミや評判はこちらリクルートエージェント|業界トップクラスの求人数
引用:リクルートエージェント
「リクルートエージェント」は、業界トップクラスの求人数を保有する転職エージェントです。
エンジニアの求人数も非常に充実しており、2024年11月時点では「SE・ITエンジニア×未経験でも可」の求人を3,000件以上保有しています。(※非公開求人含む)
組み込みエンジニア以外のエンジニア求人も多いため、「転職の方向性を迷っている人」や「まずはプログラマーやコーダーから挑戦したい人」に特におすすめです。
また、リクルートエージェントは転職支援実績が豊富で、未経験からの転職も手厚く支援してくれます。
これまで培ってきたノウハウを活かして的確なアドバイスをしてくれるため、転職に不安がある人はぜひ相談してみてください。
運営会社 | 株式会社リクルート |
---|---|
公開求人数 | 約485,800件 |
非公開求人数 | 約87,200件 |
対応地域 | 全国 |
料金 | 無料 |
(最終更新日:2024年11月)
リクルートエージェント公式サイトdoda|未経験者向けの求人を探しやすい
引用:doda
「doda」は、検索機能が充実している転職サービスです。
求人検索ページでは「職種未経験歓迎」「業種未経験歓迎」「学歴不問」「第二新卒歓迎」など細かな条件を設けられるため、自分に合う求人を探しやすいでしょう。
また、dodaは転職エージェントと転職サイト、両方の機能を持っていることも特徴のひとつです。
エージェントをつけなければ自分で求人を探して直接応募できるため、転職活動をマイペースに進めたい人にも適しています。
転職を迷っている人や情報収集だけしたい人にもおすすめできるサービスなので、ぜひ登録してみてください。
運営会社 | パーソルキャリア株式会社 |
---|---|
公開求人数 | 約260,600件 |
非公開求人数 | 非公開 |
対応地域 | 全国+海外 |
料金 | 無料 |
(最終更新日:2024年11月)
doda公式サイト組み込みエンジニアを未経験から目指す人によくある疑問
最後に、組み込みエンジニアを未経験から目指す人によくある疑問を紹介します。
組み込みエンジニアはきつい?ホワイト企業に転職するには?
組み込みエンジニアが「激務だからやめとけ」と言われる理由は、納期厳守でバグが許されないことや、急な仕様変更が発生することが挙げられます。
ただし、激務かどうかは企業によって差があるため、入社前に口コミサイトで平均残業時間や有給取得率を調べたり、転職エージェントを活用して内部事情をリサーチすることをおすすめします。
組み込みエンジニアとして大手で働くメリットは?
大手企業はクライアントから直接仕事を受けるため、下請け企業と比べると年収が高い傾向にあります。
また、福利厚生が整っているところや、資格支援や研修制度が充実しているところが多いのが大手企業で働くメリットと言えます。
組み込みエンジニアのキャリアパスは?
未経験から組み込みエンジニアになった場合、テスターやデバッガーからキャリアをスタートし、経験を積んだ後に上流工程に携わっていくのが一般的です。
組み込みエンジニアのキャリアパスを叶えるには、まずは目標とするキャリアパスを決めて、必要となる知識を深めておくと良いでしょう。
まとめ
組み込みエンジニアは、未経験可の求人も存在することから、未経験者も目指せる職種と言えます。
ただし、ITスキルや経験がある求職者の方が有利なため、未経験から目指すなら、基礎的なITスキルを身に付けておくことをおすすめします。
また、未経験から組み込みエンジニア求人に応募する際には、転職エージェントのサポートを受けることをおすすめします。
転職エージェントでは、キャリア相談や求人紹介、応募書類の添削、面接対策などが無料で受けられるので、ぜひ活用してみましょう。
組み込みエンジニアにおすすめの転職エージェントは以下の3社です。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
ワークポート 公式サイト |
|
リクルートエージェント 公式サイト |
|
doda 公式サイト |
|
転職エージェントを上手に活用して、理想的なワークライフを手に入れましょう。