社内SEを辞めたい人は、どのような理由で退職しているのでしょうか。
社内SEはスキルアップが期待できないことや、社内の雑用に追われることが多く、モチベーションを保つのが難しい状況になりがちです。
本記事では、社内SEを辞めたい人によくある退職理由や転職成功のコツについてご紹介します。
社内SEを辞めないほうが良いケースもあるので、自分が求める働き方を見極めたうえで、最適な判断をするための参考にしてみてください。
社内SEを辞めたい!よくある退職理由とは?
社内SEは転職市場で需要の高い仕事ですが、辞めたいと考えている方が多いのも事実です。
いったいどのような理由で退職を決断しているのか、ここでは、社内SEを辞めたい人によくある退職理由をご紹介します。
ひとり情シスで雑用に追われる
中小企業で社内SEをしている場合、ひとり情シスがつらいと感じて辞めることを決断する方が多いです。
ひとり情シスとは、情報システムの担当者が社内に一人しかいないことを指します。
大手企業の場合は複数人が担当するケースが多いですが、中小企業で従業員数が少ない場合は、一人だけが担当するケースも少なくありません。
ひとり情シスによくあるつらいことは、情報システム以外の雑用を任されてしまい、本来の業務ができないことです。
たとえば、パソコンの使い方や不具合に関する質問を受けて対応する場合もあり、社内の人から雑用係のような扱いを受けることもあります。
また、情報システムにはさまざまな業務がありますが、すべてをたった一人で担当している業務量の多さもつらいと感じるケースが多いでしょう。
ひとり情シスがつらくて転職を検討する方は非常に多いです。
スキルアップが期待できない
社内SEからの退職理由として多いのが、スキルアップが期待できないことです。
主な仕事は保守・運用に関する業務のため、開発を担当するエンジニアに比べると十分な実務経験を積めない可能性があります。
また、予算管理や管理業務なども行うため、エンジニアとしての実践的なスキルよりも、マネジメントスキルやマルチタスクに対応できる人材が求められる傾向があります。
エンジニアとして実践的なスキルやプログラミングスキルを磨きたい方は、転職を決断するケースが多いでしょう。
休日や夜間に対応する場合もある
会社の体制や人員数によっては、休日や夜間に対応するケースも少なくありません。
システム障害はいつ起きるか予測できず、トラブルが起きたらすぐに対応することが求められるため、休日や夜間でも呼び出されることがあります。
何も起きなければ定時で退社できることもありますがが多いですが、トラブルがあるといつ解決するかわからない状態で残業しなければいけません。
社内SEは、プライベートな時間をゆっくり過ごせずに、ストレスがたまって「社内SEを辞めたい」と感じる方もいるでしょうが非常に多いです。
評価されにくいため給料が上がりにくい
社内SEの業務内容は、会社の売上に直結する仕事ではないため、給料アップが難しいことが退職理由になるケースも多いです。
情報システムの運用には幅広い知識が求められますが、そのわりに評価されにくいため、業務内容に対して給料が見合わないと感じる方も少なくありません。
また、素晴らしい運用システムを開発したとしても、社内にそれを理解できる人が少ないことから、成果を認めてもらえないケースが多いです。
エンジニアとして成果を残し、会社の売上に貢献したいと考える方は、退職を考えることが多いでしょう。
社内のクレーム対応に疲れた
社内SEは、システムに何らかの不具合が起きると社内のさまざまな部署からクレームを受けます。
クレーム対応だけでもつらいうえ、復旧に向けて対応に追われている中で「まだ直らないの?」と急かされると、精神的につらくなってしまう場合もあるでしょう。
また、社内SEにとってのユーザーは社員のため、面と向かってクレームを受けることが多く、ユーザーとの距離感が近すぎることがストレスに感じる場合も多いです。
メンタルの強い方でも、社内のクレーム対応に疲れ果てて退職を考えるケースは少なくありません。
社内SEを辞めないほうが良い理由
社内SEを辞めたい方の退職理由についてご紹介しましたが、社内SEには良いこともあります。
業務への適性や性格、働き方の希望によっては社内SEを辞めないほうが良いケースもあるので、退職を決断する前に、ぜひここで確認しておきましょう。
ワークライフバランスを保ちやすい
社内SEを辞めないほうが良い理由として、ワークライフバランスを保ちやすいことが挙げられます。
退職理由では「残業や休日出勤が多い」とお伝えしましたが、企業の体制によってはきっちり定時で退社できる場合もあります。
競合他社の社内SEとして転職を検討している方は、企業のシステム体制や具体的な仕事内容を把握したうえで、ワークライフバランスを保てるかどうかを検討してみると良いでしょう。
また、社外の顧客ではなく、同じ会社に勤める社員の対応を行うため、対応する時間を顧客に合わせる必要もなく、ほとんどは一般的な業務時間内に対応できることがメリットです。
営業や利益の追求などが苦手な方にとっては、精神的な負担が少ないこともメリットといえるでしょう。
福利厚生が充実している
社内SEは正社員として採用している企業が多く、福利厚生が充実していることがメリットです。
管理部門の部署では契約社員を採用しているケースも多いですが、正社員として社内SEに従事しているなら、辞めないことをおすすめします。
正社員の社内SEなら、雇用が安定しているうえ福利厚生も利用できて待遇が良いため、「勝ち組」と呼ばれることが多いです。
健康保険や休暇制度はもちろん、研修プログラムや自己啓発セミナーなどへの参加費用を負担してくれる企業もあるでしょう。
転職を決断する前に、他の会社に比べて現状の待遇が良いかどうかを判断してから退職するかを検討してみてください。
安定して同じ職場で働ける
社内SEとして働くメリットは、客先常駐のSEと違って、安定して同じ職場で働けることです。
自分が所属する企業のシステムを運用するため、他部署との連携によって人間関係を構築しやすく、クライアントに納期を迫られるようなプレッシャーも少ないことから、働きやすい環境が整っています。
また、社員からの問い合わせに対応するヘルプデスクの業務では、さまざまなトラブルシューティングに対応するなかで業務の幅が広がるとともに、他部署との調整力やコミュニケーションスキルが身につくため、キャリアアップにつながることも社内SEの魅力です。
社内SEを辞めたいと思ったら、現状を冷静に見極めて、転職した場合の働く環境や業務内容と比較して検討してみると良いでしょう。
コミュニケーションが得意なら比較的楽に働きやすい
プログラミングなどのエンジニアとしての技術的なスキルはもちろん必要ですが、社内SEにとくに必要なのがコミュニケーションスキルです。
社内SEは、社内のさまざまな部署と連携してスムーズにプロジェクトを進めていく必要があるため、人間関係を円滑にする協調性や臨機応変な対応力が求められます。
また、社員からの問い合わせに対して「どのような問題があるのか」「困っていることは何か」などを汲み取る理解力も必要です。
希望すれば開発や技術的な業務に専念することも可能ですが、技術的なスキルだけでなく、幅広くさまざまなスキルを磨く意識のある人は、社内SEを辞めないほうが楽に働ける可能性が高いでしょう。
社内SEにおすすめの転職先
社内SEを辞めた場合の転職先には、どのような選択肢があるのかご紹介します。
まずは、社内SEを辞めたいのか、それとも会社を辞めたいのかを明確にしましょう。
社内SEの仕事を辞めたいわけではないなら、同業他社の社内SEが狙い目です。
社内SEの仕事を辞めたいなら、他の職種への転職を検討してみてください。
ここでは、社内SEから転職したい人におすすめの転職先をご紹介します。
職場環境が問題なら「同業他社の社内SE」
「社内SEを辞めたいわけではないけど、今の会社は辞めたい」という方は、同業他社の社内SEへの転職を検討しましょう。
労働条件や社内の人間関係などが原因で転職したいなら、職場環境を変えることで解決できる可能性があります。
ただし、退職理由である問題を解決できる転職先でなければ、転職に成功しても現状は何も変わりません。
ひとり情シスのつらさを解決したいなら規模の大きな会社の社内SE、残業や休日出勤のつらさを解決したいなら定時退社が可能な社内SEのように、条件を決めて転職活動をするのがおすすめです。
また、現在IT業界の社内SEをしているなら、IT業界以外の社内SEを探してみるのも良いでしょう。
その場合は、エンジニアとしての技術的なスキルを磨くことは難しくなるため、技術的なスキルアップを目指す方は別の転職先を検討してみてください。
キャリアアップが目的なら「大手Sler」
社内SEはスキルアップが難しい環境であるため、キャリアアップを目的として転職を検討するなら「大手Sler」がおすすめです。
Slerとは、システムの企画・開発から保守・管理まで行う企業のことで、中小企業と大手企業では業務内容が異なるケースがあります。
中小企業のSlerの場合、大手Slerからの下請け業務になることが多く、下流工程を担当する可能性が高いです。
一方、大手Slerなら設計や開発よりも、プロジェクトマネジメント業務を任されるケースが多く、キャリアアップを目指しやすくなります。
SEとしてのスキルを活かしながら業務の幅を広げることができ、スケジュール管理などのマネジメントスキルを身につけられるでしょう。
スキルを活かしたいなら「Webエンジニア」
社内SEのスキルを活かして転職したいなら、「Webエンジニア」がおすすめです。
Webエンジニアとは、Webサイトやアプリケーションなどの開発・運用をするエンジニアのことで、主にプログラミング作業を行います。
請負を行っている企業では厳しい納期に追われることもあるため、自社開発の企業がおすすめです。
使用するプログラミング言語はPHP・Java・Pythonなどで、プログラミングに強い方やデータベースに関する知識を持っている方に向いています。
社内SEのスキルを活かせるうえ、新しい技術を身につけることもできるでしょう。
サーバーサイドエンジニアやフロントエンドエンジニアなどの実務経験を積んで、スキルアップすることも可能です。
キャリアチェンジしたいなら「ITコンサルタント」
社内SEからのキャリアチェンジを検討しているなら、「ITコンサルタント」もおすすめです。
ITコンサルタントとは、企業の経営課題をIT技術を駆使して解決に導くための提案をする職種のことで、経営戦略をヒアリングしたり、必要なシステムを導入したりして、IT環境を整備していきます。
エンジニアとしての技術的なスキルはもちろん、営業センスやマネジメントスキルなど、必要とされるスキルは多岐にわたるのが特徴です。
企業の経営課題を解決する仕事のため、顧客とのやり取りでストレスを感じることもありますが、社内SEで培ったコミュニケーションスキルを活かして働けます。
幅広い知識とスキルが必要な職種なので、実績を積めば将来的にフリーランスとして働く選択肢も広がるでしょう。
保守経験を活かすなら「インフラエンジニア」
「インフラエンジニア」は、社内SEと親和性の高い職種です。
インフラエンジニアとは、サーバーやネットワーク、データベースなどのシステムを設計・構築・運用・保守をする職種のことで、社内SEの保守経験を活かせます。
クライアントや所属する企業によって業務範囲が異なり、大規模システムの場合はネットワークエンジニアやセキュリティエンジニアなどに分かれて仕事を行うケースが多いです。
インフラエンジニアには、ミスやトラブルなく慎重に業務を進めることが求められるため、細かい作業が得意な人に向いています。
社会全体のシステムやユーザーの生活に直接関わる仕事のため、向いている人にとっては大きなやりがいを感じられるでしょう。
【関連記事】ITエンジニア19種類一覧!仕事内容や将来性・必要スキル・難易度をわかりやすく解説
社内SEの辞め方!転職成功のコツを紹介
社内SEを辞める決断をしたら、求人探しが始まりますが、自分に合った転職先を見つけることが何よりも重要です。
具体的にどのようなことをすれば良いのか、社内SEからの転職を成功させるコツについてご紹介します。
キャリアの棚卸しと自己分析で自分に合った転職先を見極める
社内SEからの転職を成功させるには、キャリアの棚卸しと自己分析をしっかり行うことが大切です。
これまでのキャリアの棚卸しを行うことで自分の強みは何なのか、さらに極めたいスキルは何なのかを把握でき、進むべき道が明確になります。
また、自己分析を行うことで自分の弱みを把握できるとともに、転職市場におけるレベル感や転職に求めていることが明確になり、自分に合った転職先を見つけやすくなるでしょう。
エンジニアとしての技術的なスキルだけでなく、性格的な適性も把握でき、マッチした社風の求人を選びやすくなるメリットもあります。
社内SEを辞めたい原因を解決できる転職先を選ぶ
社内SEを辞めたい人に限らず、転職する際は退職理由を解決できる転職先を選ぶことが大切です。
辞めたいと感じた原因を解決できなければ、せっかく転職してもまたすぐに転職することになります。
闇雲に求人を探すだけでは、高年収に惹かれた会社が激務だったり、職場の雰囲気は魅力的でもスキルアップできない環境であったりと、新たな不満が出てくる可能性もあるでしょう。
また、安易に転職先を決めてしまうと、転職先のほうが現職よりも条件が悪い場合もあります。
労働環境や待遇面などの希望条件を明確にするとともに、「これだけは絶対に譲れない」という条件の優先順位も決めておくとスムーズに転職先が見つかるでしょう。
フリーランスエンジニアの選択肢もある
社内SEからの転職先の候補として、フリーランスエンジニアとして働く選択肢もあります。
これまでのスキルや経験を活かして自分の可能性にチャレンジできるため、モチベーションを保ちながら働けることがメリットです。
また、獲得する案件によっては正社員として働くよりも高年収を得られるチャンスも十分にあるでしょう。
会社の人間関係に疲れてしまった方や、頑張っても評価されない環境を変えたい方は、フリーランスエンジニアとして働く道も検討してみてください。
ただし、会社に所属せずにフリーランスで働くことは、自由な半面、すべてを自分でこなさなくてはいけない大変さもあります。
業務の裁量は自分で自由に決められますが、福利厚生を受けることができないため、自己管理ができる方でないと難しいでしょう。
【関連記事】フリーランスエージェントおすすめ19選比較!エンジニアや未経験者向けも紹介
社内SEにおすすめの転職サービス
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ここでは、社内SEにおすすめの転職サービスを3つご紹介します。
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レバテックフリーランス公式サイト【関連記事】レバテックフリーランスは評判悪い?利用者の口コミからわかるメリット・デメリット
まとめ
社内SEを辞めたい方に向けて、よくある退職理由やおすすめの転職先などをご紹介しました。
まずは自分がどのような理由で転職したいのかを明確にし、その原因を解決できる転職先を見つけましょう。
また、社内SEを辞めたいと思っていても、実は辞めないほうが良い方もいます。
現職の待遇面や職場環境をあらためて確認し、転職先の条件と比較検討してみることが大切です。
転職先のほうが現職よりも条件が悪いことも考えられるため、悪い面ばかりに気を取られずに、現職の良い面を見極めて転職するかどうかを決断してみてください。
転職してから後悔しないためにも、じっくり相談できる転職エージェントを利用して、社内SEからの転職を成功させましょう。